【競馬】ダービー卿チャレンジT、ホーカーテンペストが波乱の一戦を制す (2ページ目)

 次戦は、GIの有馬記念でした。相手がグンッと強くなる中で、どんな競馬をするのか注目して見ていました。結果は10着に終わりましたが、内容は決して悪くありませんでした。「重賞でもGⅡやGIIIなら、何とかなりそうだな」と思いましたね。実際、明けて6歳となったダイワファルコンは、年明け初戦の中山記念(2月24日/中山・芝1800m)で2着と結果を出しました。

 ダイワファルコンが今回、2000mの大阪杯ではなく、1600mのダービー卿チャレンジTを選んだのは、実績的にも中山コースを得意とするのは明らかで、距離よりもコースの利を優先した出走だと思います。マイル戦(1600m)はちょうど1年ぶりになりますが、ある程度前に行ける脚があるので問題はないでしょう。

 GI連対経験のある馬と同斤量の57.5kgというハンデは、ちょっと見込まれた感があります。それでも、今のダイワファルコンの充実ぶりを考えれば、逆に恵まれたようにも見えるので、いい競馬をしてくれるのではないでしょうか。

 さて、このレースの「ヒモ穴馬」には、ホーカーテンペストを指名したいと思います。中一週の出走になりますが、全4勝中、中山・芝1600m戦で3勝を挙げています。それも、ここ2戦は同じ条件で連勝中です。

 とりわけ、前走の1600万下特別の韓国馬事会杯(3月16日/中山・芝1600m)では、後方2番手から圧巻の決め手を見せてくれました。これまでは、折り合うのに苦労して、コントロールするのが難しそうなイメージでしたが、前走はうまく折り合って直線で爆発。気性の成長もうかがえるレースぶりでした。

 また、今回はクラスがオープンに上がって、しかも重賞競走。道中のペースが速くなるので、折り合い難のあるホーカーテンペストにとっては、かえって競馬がしやすくなるのではないでしょうか。

 前走が余りにも鮮やかなレースだっただけに、中一週での出走はやや懸念されますが、(疲れが残るなどの)反動を心配よりも、好調期間だからこその挑戦と考えたいと思います。ハンデも55kgと恵まれたような気がするので、一発があっても不思議はありません。

 余談になりますが、ホーカーテンペストは長くいい脚を使うので、個人的には、中山よりも東京コースのほうが合うのではないかと見ています。もちろん中山・芝1600m戦で4戦3勝と、中山が得意コースなのは間違いないのですが、おそらくそれは、右回りや最後の坂が得手ゆえの実績。成長した今なら、東京のマイル戦でもいい結果が出ると思っています。今回、それなりの結果が出るようであれば、GI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)が楽しみになりますね。

大西直宏も唸った大阪杯の独占スクープ!
オルフェとの組み合わせでも好配当必至の穴馬とは!?

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る