【競馬】良血ルーラーシップ、有馬記念で悲願の国内GI制覇を果たせるか (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 前走のJCにしても、上位2頭との差は歴然だったが、上がりの脚は32秒7(3ハロン)とメンバー最速。勝ったジェンティルドンナや、2着オルフェーヴルよりも弾けているのだ。有馬記念でも、出遅れずにこの脚が使えれば……。

 先の専門紙トラックマンが言う。
「前走と比較して、状態面は平行線といったところですが、今年のメンバーなら、これで十分勝負になる。道中、中団でうまく折り合えた宝塚記念のようなレースができれば、きっと勝ち負けになるはずです」

 実はこのトラックマンの情報では、ルーラーシップは「この有馬記念を最後に引退し、種牡馬入りする可能性が高い」という。

 エアグルーヴの子は血統の魅力から、現役時代にさしたる実績も残していないサムライハートでも種牡馬になったくらい。牡馬として初めてGIを勝ったルーラーシップなら、当然、期待も需要も大きいはずだ。そこにもうひとつ「有馬記念馬」という勲章が加われば、種牡馬としての評価は一段と高くなる。そういう意味では、出走メンバーの中で最もこのレースに賭けているのは、この馬だろう。

 有馬記念では、現役生活を締めくくる場面で、過去にいくつものミラクルが起きている。そんなドラマチックな場面が、今年も見られるだろうか。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る