【競馬】有馬記念、一番人気のゴールドシップは本当に狙える馬か!? (3ページ目)

　おまけに、栗東トレセンでいつも間近にこの馬を見ている、ある競馬関係者からもこんな気になる情報が寄せられた。

「ゴールドシップはこの秋、菊花賞を勝つことを最大目標にしていましたから、当時はまさに“ここがピーク”と思わせるくらいのすごいデキでした。それに比べると、現状は『？』です。陣営は何の心配もないと話していますが、今年の菊花賞がよどみなく流れるタフなレースだったことを考えると、かなり体力が消耗し、馬体回復には時間がかかったと思います。一度落ち込んだところから、再度ピークに持ってくるというのは、相当大変な作業だったはずです。少なくとも今回は、菊花賞の頃のような『すごいデキ』というわけにいかないでしょう。そんな状態で、古馬一線級相手に通じるのかどうか。その見分けが、この馬の勝敗というより、今年の有馬記念を占う一番のポイントのような気がします」

「２トップ」不在の中、やはり有馬記念は混戦と言えそうだ。単勝２倍台という断然人気まで予想されるゴールドシップだが、勝って当然の強さと実績がある反面、その人気ほどの信頼がおけるかというと、必ずしもそうとは言えないからだ。

　それでも、大手牧場が生産した大手馬主クラブの所有馬が大レースを勝つのが当たり前という今の日本の競馬シーンにあって、小さな牧場で生まれて決して有名ではない馬主に買われた地味な血統のゴールドシップが、さらなるサクセスストーリーを描くのは悪くない話。有馬記念が“夢を買う”レースだとすれば、そのイメージに最もふさわしいのはこの馬だろう。

「黄金の船」という名前を持つ馬は、はたして勝利への航路をたどることができるだろうか。