【競馬】阪神JF、本命コレクターアイテムの逆転候補はアユサン (2ページ目)

 2歳時の競馬は、まずはレースを覚えさせることが重要です。スタートはもちろん、道中の折り合い、手前を替えるサイン、そして徐々にハミを掛けていって少しずつ加速し、最後にGOサインを出してからの反応など、実戦を経験しなければ身についていかないことがたくさんあります。これらは調教でも教えることはできますが、実戦に勝る"練習"はないでしょう。

 ただ、実戦と言っても、例えば1200mや1400mのような比較的短い距離を使うと、大方スピード重視の競馬を覚えてしまい、将来的に距離への対応が難しくなります。また一方で、牝馬の場合は2000m以上のレースを使うと、疲れなど反動が出てしまう可能性があります。クラシックを意識する馬ならば、道中で脚を溜めることができるマイル戦以上、1600m~1800mくらいのレースを使っていくのが理想です。

 2歳戦のこのくらいの距離のレースは、スタートしてからの流れがゆったりとしていて、前半はスローで後半の瞬発力勝負の競馬になりやすく、競馬を覚えさせるにはもってこいなのです。特に、東京の1600mや、京都の1600mと1800m戦は、スタートしてから最初のコーナーまでの直線が長く、ゴチャつく心配もないので、よりスムーズな競馬ができる利点があります。

 そうしたマイル戦を中心に使われてきたのが、コレクターアイテムです。しかも、阪神JFの舞台となる阪神外回りコースを経験しているのは、好材料です。また前走は、関西馬でありながら、京都のファンタジーS(芝1400m)を選ばずに、今年新設された東京の重賞アルテミスS(芝1600m)に出走(1着)。2歳牝馬にはかなりのリスクとなる長距離輸送があっても、あえて東京まで連れていったということは、来年のクラシックを意識している厩舎の期待度がうかがえます。

 そして、実際にレースでは素晴らしい結果を残しました。内側の苦しいところでの競馬を強いられながらも、かかることなく従順に折り合って、中団よりやや後方を追走。直線では馬込みをさばいて、上がり3ハロン(600m)33秒9の脚を繰り出して先頭でゴールに駆け込みました。前哨戦としてはこのうえないレースができたと思います。

 鞍上が、浜中俊騎手(24歳)というのもいいです。彼はまだ若い騎手ですが、慌てず騒がずの、冷静な競馬ができるジョッキーです。今年は、勝ち鞍が100勝を越えて、現在全国リーディングのトップを走るほど躍進しました。そんな彼が前走で相当な手応えをつかんで、「ここはチャンス」と見ているでしょうから、好勝負必至です。

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