【競馬】ジャパンカップでオルフェーヴルを脅かすのは、この馬だ!

 ならば、注目すべきは、オルフェーヴルの「凱旋門賞リベンジ」ではなく、国内最強馬であるオルフェーヴルに、牝馬三冠を圧倒的な強さで制してきたジェンティルドンナがどこまで迫れるか、ではないでしょうか。

 オルフェーヴルの、あの桁違いの切れ味、凱旋門賞での馬群を抜け出す瞬間の脚は、国内にとどまらず、"世界最強"と言っても過言ではないでしょう。それほど強烈な脚でした。彼に普通に競馬をされてしまったら、間違いなく他の馬では敵わないと思っていますが、ジェンティルドンナには何か大きな可能性を感じるのです。

 牝馬三冠を決めた秋華賞は、前方の馬に向く流れで、中団に控えたジェンティルドンナには非常に苦しい展開でした。三冠へのプレッシャーもある中で、普通の強い馬なら、おそらく負けていたと思います。しかし彼女は、やや強引な競馬ながら勝ち切ってしまいました。見た目には辛勝で、2着ヴィルシーナとの差も7cmという僅差でしたが、僕にはその差が相当あるように感じました。

 また、ジェンティルドンナが5馬身差で圧勝したオークスの勝ち時計が2分23秒6。ブエナビスタが制した昨年のジャパンカップの優勝タイムが2分24秒2です。さらに、今年のダービーの勝ちタイムが2分23秒8で、その2着馬フェノーメノが先の天皇賞・秋で2着に来ました。もちろん単純な時計の比較だけで勝負は決しませんが、時計的には古馬相手にも十分に通用する力を持ち合わせていると思います。それに、ジェンティルドンナが記録した時計は、未完成と言える3歳春の段階でのもの。その後の成長を加味すれば、オルフェーヴル同様、恐ろしく"強い馬"なのではないかと思うのです。

 おまけに、3歳牝馬ですから、負担重量53kgで出走できることも好材料です。他馬との差があるのはもちろんのこと(4歳以上の牡馬=57kg、3歳牡馬=55kg、4歳以上牝馬=55kg)、3歳牝馬にとって、前走(秋華賞)より2kgも斤量が軽くなることは、乗っている騎手からすると大きなプラスに感じます。その点を踏まえれば、より一層のパフォーマンス向上につながるのではないでしょうか。

 はたしてジャパンカップという舞台で、ジェンティルドンナが最強馬オルフェーヴルにどこまで迫れるのか、はたまた負かすこともあるのか、本当に興味深いところです。

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