【競馬】天皇賞・秋、3連単のヒモ穴にナカヤマナイトが狙い目 (2ページ目)

 そして、忘れてはならないのが、今年は3頭が出走予定の3歳馬です。その中でも、カレンブラックヒル(牡3歳)とフェノーメノ(牡3歳)に注目しています。

 無敗でNHKマイルCを制し、休み明け初戦の毎日王冠も古馬相手に勝ったカレンブラックヒルは、ジョッキーの意のままに動かせる、とにかくセンス抜群の馬です。好ポジションをスッと奪えるあの競馬なら、初の2000mという距離も心配なさそうです。

 ダービー2着馬で、秋初戦のセントライト記念を完勝したフェノーメノも、とにかく力強いレースをしていますね。まだ3歳馬ですが、そのパワーは古馬を圧倒するに十分な迫力を感じます。菊花賞ではなく、天皇賞・秋を選んだことは、東京コースへの自信なのでしょうし(4戦3勝、2着1回)、かなりの勝負気配が漂いますね。

 そんな多彩な顔ぶれがそろう中で、僕がヒモ穴馬として注目しているのは、ナカヤマナイト(牡4歳)です。

 春の宝塚記念では8着でしたが、休み明けの前走オールカマーでは豪快な差し切り勝ち。とにかく、強い競馬を見せました。そのレースを見て「オッ」と思ったことがあるんです。

 それは、鞍上の柴田善臣騎手の騎乗ぶりです。

 彼は普段、強引な競馬はせず、常にそつのない騎乗を見せるタイプです。その柴田騎手が、3コーナー辺りから早めにまくって、直線早々に先頭に立って押し切るレースを見せました。彼が、あんな強引な競馬をするのは珍しいことで、余程自信があったのでしょう。

 ということは、ナカヤマナイトが以前より力強くなっていることを、柴田騎手はレース前から感じ取っていたわけです。それが、あのレースぶりに表れていたのだと思います。

 昨春のクラシック当時、ナカヤマナイトからはまだまだひ弱な面が感じられました。それでも、皐月賞5着、ダービーで4着と見せ場を作りました。そこからパワーアップした今なら、超トップクラス相手でもヒケは取らないと思います。

 東京・芝2000mでは決して有利とは言えない最内枠(1枠1番)を引きましたが、外枠よりはマシです。それに、鞍上は内でそつのない騎乗ができる柴田騎手。逆に、この最内枠はプラスに働くと思います。勝ち負けは微妙なところですが、もし3着に突っ込んでくれば、相手次第で3連複・3連単でわりと高い配当を狙えるのではないでしょうか。予想を上回る快走を期待したいです。

  大西直宏(おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。騎乗技術には定評がありながら、なかなか日の目を見ることがなかったが、1997年にサニーブライアンと出会って飛躍。皐月賞を11番人気で制して初のGI勝利を果たすと、続くダービーも6番人気ながら見事に逃げ切り勝ちを収め、ダービージョッキーの称号を手にした。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍しながら、育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務めている。
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