【競馬】岩田康誠「今年は必ずリーディングジョッキーになる」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

――さて話を戻しますが、このあとの秋のGIシリーズで、これだけは特別に勝ちたいというレースはありますか?

「ジャパンカップですね。毎年、ずっと勝ちたいと思っています」

――どうしてですか?

「世界中から強い馬が集まってきますからね。その中で勝つというのは、やはり格別のものがあります」

――今年は、牝馬の三冠馬ジェンティルドンナ(牝3歳)とのコンビで出走予定です。

「3歳馬の中では、牡馬も含めて一番強いと思っています。秋華賞を勝つ前から、ジャパンカップに出てもいいレースをしてくれるだろうな、と思っていましたから、楽しみです」

――また、岩田騎手にはこの秋、偉大な記録がかかっています。これまで6勝が最高の、年間GI最多勝記録を更新できるか、ということです。岩田騎手は現在5勝。更新の可能性は十分にありそうです。

「それだけ、いい馬に乗せていただいていますから。誰も達成していないGI年間7勝というものを、ぜひやってみたいですね。そのチャンスは十分にあると思いますが、まずは6つ目を勝つことが重要でしょう」

――JRAで初のリーディングジョッキーになれるかどうかも注目されています。昨年は、地方での交流レースを含めた勝ち鞍数(138勝)では年間トップでしたが、JRAだけの年間勝ち鞍数(131勝)では、福永祐一騎手(133勝)にわずかに及びませんでした。

「途中まではかなりリードしていたんですが、最後の最後でひっくり返されてしまいました。すごく悔しかったですね。『自分には何が足りなかったんだろう......』と相当考え込みましたから。結局、『どうしてもリーディングを取りたい!』という気持ちが自分には足りなかったんじゃないか、と結論づけました。今年のダービーでは『勝ちたい』という気持ちが満ちあふれていたからこそ、最後のゴール前を凌げた(2着フェノーメノに鼻差の勝利)と思うんですが、昨年のリーディング争いでは、そういう強い気持ちが最後の最後で足りなかったんでしょう。でも、あの悔しさがあるからこそ、今がある。それだけ、リーディングにかける思いは強く持っています。『今年こそは!』という感じですね」

――現在(10月25日現在)のリーディングトップは、浜中俊騎手(109勝)です。岩田騎手は2位で107勝です。十分、射程圏にあると思います。

「浜中は手強いですからね。でも、今年リーディングを獲れなかったら二度と手にできないと思うぐらい強い気持ちで挑んでいます」

――地方競馬(兵庫県競馬)からJRAに移籍して7年目ですが、リーディングを獲って頂点に立つというのは、ひとつの目標だったのではないですか?

「目標というより『獲らなければいけない』といった、意地みたいなものがありますね」

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