【競馬】質はクラシックを席巻した昨年以上。ディープ第3世代も大物ズラリ (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 こうして名前を挙げればきりがないが、最大の注目馬として忘れてはならないのが、セレクトセール(馬の競り市)で3億6000万円の値がついた、名牝エアグルーヴを母に持つラストグルーヴだ。

 種牡馬ディープは父サンデーサイレンスと同様、相手牝馬の血統レベルが高いほど活躍馬を出す傾向にあるという。実際、今春の牝馬二冠馬ジェンティルドンナは、姉に京都牝馬Sなど重賞勝ちのあるドナウブルーがいる血筋で、ダービー馬ディープブリランテも一族にバブルガムフェローがいて、日本の競馬で最も活力ある牝系のひとつと言われる「バブル一族」の血を引いている。そうした特徴を鑑(かんが)みても、多くの重賞馬を輩出してきたエアグルーヴの子には、いやが上にも期待がかかる。

 そんな注目のラストグルーヴは、この夏、いったん函館競馬場内の厩舎に入厩。ゲート試験を受けて合格したあと、再度放牧に出された。もう少し涼しくなってから栗東の厩舎に入って、万全の態勢でデビュー戦を迎える予定だという。

 この馬の評価については、ある厩舎関係者がこう語っている。
「上(の兄弟)はほとんど、素質があるのに仕上がりが遅くて、春のクラシックでは不発でした。でも、この馬は違うらしいですよ。夏前に牧場のスタッフが、『今度のエアグルーヴは違う!』と、相当自信ありげに話していましたからね」

 3世代目も強力なライナップがそろうディープ産駒。今年はどんな「大物」が登場し、クラシック戦線を賑わしていくのか、楽しみが膨らむ。

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