【競馬】質はクラシックを席巻した昨年以上。ディープ第3世代も大物ズラリ (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 関西の競馬専門紙トラックマンが言う。
「今年のダービーを例にとれば、勝ったディープブリランテをはじめ、掲示板に乗ったディープ産駒の3頭は、いずれも秋以降のデビューでした。牝馬でも、春の二冠馬(桜花賞、オークス)ジェンティルドンナは秋の京都デビュー。つまり、クラシック候補と期待されるくらいのディープ産駒の大物は、育成にじっくりと時間をかけて、涼しくなった秋以降にデビューさせたほうが、いい結果が出ているということです。それがこの2年、ディープ産駒を手掛けてきた厩舎関係者の共通認識。ゆえに、大きな期待をかけられた馬たちが、まさに満を持してこのあと続々とデビューしてくるということです」

 そして9月16日には、早くも阪神の新馬戦(芝1800m)で、その「大物」とされる前評判の高い馬たちが激突する。名牝エアグルーヴを祖母に持つアドマイヤキンカクと、牝系の近親にシンコウラブリイなど多数の活躍馬がいるカレンバッドボーイだ。この段階でぶつかるのがもったいないと思うほどの「大物」たちだけに、注目のレースは後々「伝説の......」と評価されるような、レベルの高い新馬戦になる可能性が十分にある。

 その後に目を転じれば、10月初旬の京都では、半姉に名牝ファレノプシスを持つ、評判馬キズナがデビュー予定。この馬がデビュー戦に予定している芝1800mのレースには、ディープの種牡馬としてのライバルであるアグネスタキオン産駒の、今年最大の期待馬リジェネレーションがひょっとしたら出てくるかもしれないという。リジェネレーションも兄が皐月賞馬キャプテントゥーレという良血。もしこの対決が実現し、キズナが勝利したならば、ディープ産駒がクラシック戦線をますます席巻することになるだろう。

 他にもデビューは未定ながら、カレンバッドボーイを管理する橋口弘次郎厩舎で「こちらのほうが(カレンバッドボーイより能力は)上かも」と評価されるサトノユニコーンや、「上の兄弟たちは脚元の不安で出世を阻まれたが、この馬は大丈夫そう」と名門・角居勝彦厩舎が期待をかける、母アドマイヤハッピーの牡馬(馬名未定)など、すでに入厩して虎視眈々とデビューを待つ有力馬たちがズラリといる。

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