【競馬】注目の札幌2歳S、来年のクラシック馬がここから生まれる!?

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

今年最初の新馬戦で勝利を飾った、トーセンパワフル。今年最初の新馬戦で勝利を飾った、トーセンパワフル。 夏のローカル競馬には、各競馬場それぞれの締めくくりの一戦として、2歳馬によるGIIIの重賞レースがある。なかでも、注目度が高いのが札幌競馬場で行なわれる札幌2歳S。なぜなら、来春のクラシックとの関連性という点で、他のローカルの2歳重賞とは大きく一線を画すからだ。

 このレースが現行の芝1800mで行なわれるようになったのは、1997年。以来、他場の2歳重賞より長い距離が魅力とされ、その段階までに勝ち上がった多くの期待馬、素質馬が集まるようになった。結果、ジャングルポケット(2000年)、ロジユニヴァース(2008年)と、これまでに2頭のダービー馬を輩出。夏の2歳重賞としては抜きん出た実績を持ち、出世レースのひとつとして近年ますます注目度を増している。

 昨年も、芝1800mの未勝利戦で2着馬を8馬身もちぎったアグネスタキオン産駒のグランデッツァが出走。単勝1.6倍という支持を受けて、見事その期待に応えて勝利すると、一気に「クラシック有力候補」となり、皐月賞トライアルのスプリングSを快勝した。結局グランデッツァは、肝心の皐月賞(5着)とダービー(10着)では息切れしてしまうが、札幌2歳Sでそのグランデッツァから半馬身差の2着に敗れたゴールドシップが皐月賞を圧勝。昨年の札幌2歳Sも、クラシック級の馬たちによって争われたレベルの高い一戦だったことは間違いない。

 そして今年も、評判の高い有力馬が札幌2歳Sに参戦する。注目度という意味では、昨年以上とさえ言える。

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