【競馬】オークスで、ディープ産駒がついに『負のレッテル』を打ち剥がす!? (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 そして相手は、距離適性より競走馬としてのポテンシャルがモノを言うとされるオークスの格言に従えば、桜花賞馬のジェンティルドンナ。距離が2400mで、桜花賞のときのような脚が使えるか、となると、気性的にカリカリしている分、やや疑問はある。主戦の岩田康誠騎手が騎乗停止で乗れないという点も不安だが、前出・関西の専門紙記者によれば、ジェンティルドンナにはオークスでこんなプラスアルファが見込めるという。

「桜花賞は勝つには勝ったけれども、状態面はせいぜい6~7分で、8分の出来にもなかったくらい。それでも勝ったのは能力が抜けているからでしょう。その桜花賞に比べると、状態面は今度のほうがはるかにいい。距離適性ではヴィルシーナに一歩譲っても、前回からの上積み次第では、この馬にも勝つチャンスはあります」

 また、この2頭はどちらもディープインパクト産駒。どちらかがオークスを勝てば、ディープ産駒としては初めて、2000mを越えるGIでの勝ち馬となる。

 ディープ産駒はここまでGIを4勝しているが、いずれもマイル戦。昨年以上の期待馬が顔を並べた今年の皐月賞(中山芝2000m)でも勝てなかった。それぞれ原因はあるにせよ、もっとも期待されたワールドエースも2着どまり。「気がいい」と言われる特徴が、仕上がりの早さやスピード面ではプラスに出ても、2000mを超える距離への対応という点では、逆にマイナスに作用しているという印象だ。

 そういう意味では、種牡馬ディープインパクトにとって、産駒が2000m以上のGIを勝つことは、どうしても乗り越えなければならない“壁”だ。

 トライアルのフローラSを強い競馬で勝ったタニノギムレット産駒のミッドサマーフェアなど、距離適性を武器に虎視眈々と一発を狙う馬たちもいるオークス。そうした伏兵の挑戦をはねのけて、ディープの娘たちは、見事に“壁”を乗り越えられるだろうか。

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