【競馬】福永祐一が語る「日本の馬では勝てない」という怪物 (3ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

――天皇賞のあと、オルフェーヴルは凱旋門賞が最大目標。そのため、宝塚記念には出走しないのではないか、と言われています。天皇賞より距離が短くなって、しかも強敵不在となれば、ルーラーシップにとってはチャンスです。

「決して簡単なことではないと思いますが、自分がこれまでに勝ったことのないGIで勝つチャンスがあるという意味では、確かに楽しみなレースになると思っています」

――さて、昨年はついにJRAの全国リーディングを獲得しました。率直な感想を聞かせてください。

「やはり、自信になります。また、自分自身よりも、周りの見る目が変わってきました。『リーディング』という立場で見てもらえるようになり、実際にいい馬を任せていただける機会が増えました。そういう中で結果を出すことが重要なのですが、そのための環境も整ってきていると思います」

――最後に、今後の抱負をお聞かせください。

「今はまだ、自分がどれだけ勝ったとしても、『あいつはいい馬に乗せてもらっているだけ』という見方をする人が少なからずいると思います。そうした方々を含めて、誰からも認められるようなリーディングジョッキーになるには、勝ち鞍だけでなく、大きなレース、つまりGIをどんどん勝っていかなければいけない。そういう意味でも、これからが勝負だと思っています」

――まずは、まもなく始まる春のGIシリーズを楽しみにしています。

「3歳クラシックや、古馬の中・長距離路線だけでなく、短距離路線にもGIでチャンスがあるというか、勝たなければいけないな、と手応えを感じている馬がそろっています。常に満足することなく、貪欲に結果を出し続けていきたいです」

photo by Kouchi Shinjiphoto by Kouchi Shinji福永祐一(ふくなが・ゆういち)
1976年12月9日生まれ。滋賀県出身。2010年関西リーディングジョッキー(109勝)となり、2011年には全国リーディングジョッキー(133勝)を獲得。今季も早々に重賞勝ちを収めるなど、順調に勝ち星を積み重ねている。3月9日現在で、全国リーディング2位(24勝)。通算1367勝。

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