【競馬】福永祐一が語る、牝馬クラシックへの自信「ジョワドヴィーヴルが負ける姿をイメージできない」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

――それが、2戦目でガラッと変わっていたのですか?

「まさに一変していましたね。レース前のパドックではあまり感じられなかったのですが、返し馬に入った瞬間、驚きました。前回の返し馬ではできていなかった、デビュー戦前の調教時の、あの弾むような動きが、今度はちゃんとできていたのです。そのときに『これなら負けない』と思いました」

――2戦目の変身ぶりには、管理する松田博資調教師も驚いていました。

「GIで戦うには、そうやって変わっていくような馬でなければ、勝負できません。いい馬とはいえ、すでに出来上がっている馬では伸びしろがありませんが、一戦ごとに変わっていく馬はレースを経験するごとに強くなります。一昨年の阪神JFを勝ったレーヴディソール(以下、レーヴ)も、そういう馬でした」

今後の期待度では
レーヴディソールより上

――改めて、阪神JFを勝ったときの率直な感想を聞かせてください。

「楽勝でしたからね。ちょっと早いかもしれませんが、『これで、桜花賞までは大丈夫かな』と思いました」

――レーヴも一昨年の阪神JFを勝った後は、「桜花賞はこの馬で決まり」という評判でした。しかし残念ながら、前哨戦のチューリップ賞を強い競馬で勝った後、故障してしまいました。当時のレーヴと比べて、ジョワドヴィーヴルの能力をどう見ていますか?

「能力的には遜色ないですし、(レーヴよりも)上の力を持っている可能性もあると思います。ジョワドヴィーヴルは阪神JFを勝った時点で、レーヴがチューリップ賞を勝ったときと同じ(レベルの)走りをしていましたからね。しかも、チューリップ賞のときのレーヴは、それまでで一番の出来というくらいにすごく良くなっていました。そのレーヴと同じ走りを、ジョワドヴィーヴルは一段階前でできているわけですから、今後の期待度という意味では、(レーヴより)上です」

――半姉のブエナビスタと比べての評価がいかがでしょうか?

「今の段階で、あの馬と比べるのはかわいそうですよ。ただ、このまま順調に力をつけていけば、いずれはブエナビスタのように、世界の舞台に出ていく可能性のある馬だと思います」

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