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四半世紀の時を超えアニメ化 伝説のゴルフ漫画『ライジングインパクト』を鈴木央と久野美咲が語り尽くす「僕の"厨二病心"が詰まった作品なので...」 (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

【主人公・ガウェインの誕生秘話】

ーー久野さんが演じられている主人公・ガウェインはどのようなこだわりを持って描いていたのでしょうか?

鈴木:じつは連載前、作品に登場させるキャラクターを作り込みすぎてしまったというか、あまり魅力が感じられない描き方をしてしまい、編集部からも「素の部分を出してないから面白くない」と言われたんです。でも自分のなかでイマイチ掴めなくて、「素の部分を出す」とはどういうことなんだろうかと。

 そこで考えたのが、小学生時代の自分についてでした。その頃はなにも飾らずに、どんな時でも正直に、素の自分のままでいることができていた。そのイメージを参考にして、小学生の主人公として描いてみたのがガウェインだったんです。いまはなき小学生時代の鈴木央が映し出されているわけですが(笑)、もともとファンタジーを描きたかったというのもあり、外国人要素を取り入れてミックスの男の子にしたという経緯もあります。

ーーだから央先生の出身地である福島県の方言を喋るキャラクターにされた。

鈴木:というより、福島から出てきたばかりの僕が標準語で漫画を制作すると、なんだか作り物っぽい感じがして、主人公も素で描けなかったんです。どうしてもカッコよく描こうとしちゃっていたので。だからガウェインの喋り方も福島弁にしちゃおうと思って描いてみたら、はじめてキャラクター制作で褒められて、かつ連載も決まったという。それに東北弁のキャラクターって、アニメや漫画内では農家のおじさん役とか、サブの役割で登場することが多かったんです。そういう意味でも、インパクトのある主人公が出来上がったなと。

久野:そもそも央先生って、いつ東京に出て来られたんですか?

鈴木:高校卒業してすぐです。当時は「本当に標準語で喋る人なんているのか?」と思いながら東京に向かっていたんですけど、電車内で本当にみんな喋っているから、その光景が衝撃的すぎて。心の中で「本当にいるんだ......!」と思っていましたね(笑)。

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