三ヶ島かな、ツアー初優勝の舞台裏「神様はまた勝たせてくれないのか......心底思った」 (2ページ目)
でも、地元九州で行なわれるリコーカップには応援に来てくれる人も多いので、『絶対に出場したい』と思っていて。『リコーカップに出られるように頑張ろう』と気持ちを切り替えて、なんとか練習をこなしていた、という感じでした」
――それでも、伊藤園レディスで17位タイ、大王製紙エリエールレディスでは5位と上り調子でリコーカップを迎えました。どういった点に心がけて試合に臨みましたか。
「リコーカップが開催されるコース(宮崎CC)は独特で、プレーにおいてはいろんなことが求められるので、それにどう対応していくか、その準備をしようと思って練習をしていました。そんななか、パッティングはずっと調子がよかったのに『何かが足りない』と感じていて......。
すると、練習している時に『手元の位置がハンドレート気味になっているけど、それってどうなの?』と、キャディーの佐々木裕史さんから指摘されて。それで、それを修正したら(試合で)ドンピシャにハマッた感じでした(4日間の平均パット数は25.5で1位)」
――そうして、3日目には6つのバーディーを奪ってトップに立ちました。最終日に向かう前夜はどんな心持ちでしたか。いろいろと考えたりしましたか。
「特に、何も(笑)。ふだんどおりでした。宮崎の美味しいご飯を食べて、いつも行っているアイス屋さんでアイスを食べて、『満腹だぁ』って言って、幸せに寝ました(笑)」
――緊張するようなこともなかったですか。
「最終日の朝、練習をしている時に『あっ、ちょっと緊張しているな』って感覚はありました。でも、練習をしている時に気になっていた点を修正できたことで、(緊張しているのも忘れて)普通にスタートすることができました」
――2位と3打差の首位で迎えた15番ホールで、2打目がバンカーのあごに突き刺さるトラブルとなりました。ボールを見た時はどう思われましたか。
「恐ろしかったです(苦笑)。なんで"ここ"って思いました。キャディーの佐々木さんも『あり得ねぇ』って。
私は口には出さなかったけれど、『あぁ、また負けるのかな』と。球がバンカーに突き刺さっているのを見て、『神様はまた勝たせてくれないのか』って、心底思いました。これまで試練ばかり与えられてきて、ここでもまた試練なのかって......」
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