【木村和久連載】ゴルフ会員権購入前は妄想が大事。「エアーメンバーごっこ」のススメ

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 でも、今から会員権を買ってゴルフをしても、せいぜい20年。そのために500万円を払うのか? ゴルフをやめた時に会員権を売れば、お金は半分以上戻ってくるでしょうけど、その頃には棺桶に片足を突っ込んでいる状態かもしれませんから、さほどうれしくないです。

 あと、メンバーライフを送るには、図太い精神力も大事になってきます。南総CCや鶴舞CCでも誰も知り合いがいないなかでメンバーになって、転校生みたいなものでしたから。

 それでもその頃は、若くて勢いもありましたから、メンバーデーや競技に参加して、顔見知りを増やしていきました。しかし今、老いて誰も知らない倶楽部のメンバーになって、そこまで積極的に動けるのか? メンバーとして、メインストリートを歩めるのか?

 いじめを受けて、すぐやめたりしたら、元も子もありません。まあ、いじめはないとしても、やんわりしたパワハラはあります。上から目線というか、そういう陰湿な部分はどのコースでもありますから。

 そこで、改めて思うのです。そんな未知の倶楽部に500万円も払って行く価値があるのかな、と。

盆栽でコースを再現することはないでしょうが、お目当ての倶楽部の「メンバーになったら......」と妄想するのは楽しいものです盆栽でコースを再現することはないでしょうが、お目当ての倶楽部の「メンバーになったら......」と妄想するのは楽しいものですこの記事に関連する写真を見る メンバーシップコースに通うということは、銀座の高級寿司屋にひとりでふらっと行って、大将とカウンターで語りながら、楽しいひとときをすごす――そんな感覚に似ています。

 要は、日曜日にふらっとひとりでコースに行って、メンバーと仲よく回れるか? そういうことです。

 とまあ、いろいろとあ~でもない、こうでもないと思いを巡らせているうちが花なんですかね。何か決まりましたら、また報告させていただきます。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

『教えて! 100切り先生』好評発売中!
詳細はこちら>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る