渋野日向子が約2年ぶりの優勝で明かした思い。「自分が置いていかれている感があった」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 昨年はつらい一年を過ごした。弱気になっていたと回想する。

「去年は本当に自信がなかった。それでも淡々とこなしてきたような気はするんですけど。いつか勝つということを考えながら、スイング改造をしてきたり、いろんな練習に取り組んできた。最近はちょっとずつ、『いつか』が『もうちょっとしたら』に変わってきた」

 スイング改造に批判的な声は否応なしに耳に届く。見返したい気持ちを心の片隅においやって、自分自身と向き合ってきた。

「(5勝を挙げた)2019年からいろいろ変えた"新しい自分"だけど、2019年の自分がいたから今があるわけで、今やっていることを続けていけば、2年前の自分より強くなれる、やってきたことは間違っていなかったと思えた結果だと思います」

 公言してきたとおり、近い将来の米ツアーへの参戦を思い描いている。

「飛距離の差を感じています。米ツアーに出ている選手は小さい時から難しい芝でやっている。私が悩んでいるのがおかしいぐらい簡単に打ちますから。(これまでの米ツアー経験で)自分のゴルフの安定感のなさを感じられたことが、自分が変わらないといけないと思うきっかけになりました」

 今回の優勝が完全復活を意味するのか――。その答えは、アメリカに渡って初めて明らかになる。

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