「先駆者」勝みなみが日本女子オープンを制してまたも快挙。黄金世代はやっぱり強かった

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 同会場で女子オープンが開催された5年前はアマチュアの立場で出場し、2日間で12オーバーと叩いて、予選落ちを喫した。

「リベンジできました。ここはアップダウンがあって、グリーンも小さいし、傾斜がきつい。アマチュアの時は飛距離もなかったし、アイアンが得意でもウッドの技術がなかった。今回はグリーンにのせて、バーディーパットも打てていたし、アマチュアの時は気持ちが前面に出すぎていたけど、今回は気楽に臨めていた。コースだけじゃなく、自分の気持ちも攻略できたかなと思います」

 今季2勝目(プロ通算5勝目)を初のメジャー制覇で飾った勝が快進撃の要因として挙げたのは、昨年から積極的に取り組んできた飛距離アップだ。以前に比べてドライバーで約20ヤード、アイアンで10ヤードは伸びていると言い、最終日も同組の西郷をオーバードライブするシーンが目立った。

「去年からトレーニングを週3回に増やして、主にパワーをつけてきたんですけど、ちょっとやりすぎた面があって、うまく身体が動かなくなってしまった。そこで現在は、週1でパワー系、それ以外の日はストレッチ系のトレーニングをやっています。最近、上位で戦う機会が多いのは、今のトレーニングのやり方が合っているのかな、というのを感じ取れた優勝でした」

 飛距離が伸びたことで、視野が広がった。

「今までは(2オンを)狙えなかったロングホールが、飛距離が10ヤード、20ヤード伸びたことで狙えるようになった。結構、ラクにゴルフができていると感じます。ちょっと前には、もっとバカ飛びしていた時期もあったんですけど、今は一段階下の飛距離で安定している。100ヤード以内のアプローチはまだ安定していないけれど、他のアイアンはいい感じです」

 勝は、日本の女子ツアーを牽引する1998年生まれの『黄金世代』で、最初のトーナメント覇者だ。15歳293日でKKT杯バンテリンレディスを制して以降、畑岡奈紗や渋野日向子ら同世代の後塵を拝した時期もあったが、今回の日本女子オープン優勝は、今年23歳となる黄金世代の通算30勝目となった。

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