【木村和久連載】東京五輪を見て、オリンピックにおけるゴルフの将来を考えてみた (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 先にも少し触れましたが、東京五輪全体を見た時、ゴルフは他の競技と比較すると、インパクト、認知度、共感度などがちょっと薄い感じがしました。そういった点を含めて、個人的に気になったことをピックアップしてみたので、みなさんも一緒に考えてみてください。

(1)男女混合種目の導入
 国際オリンピック委員会(IOC)は参加人数の男女均等化を推進し、今回の東京五輪から卓球や柔道など数多くの競技で男女混合種目が追加されました。これは誠に喜ばしいことで、今後のオリンピックにおける重要なコンテンツとなるでしょう。

 ここでひとつ、疑問が浮かび上がります。なんでゴルフには男女混合種目がないのか?

 もし男女混合種目を入れたら、現在ある男子、女子の個人戦を含めて、4日間の通し競技を3つ消化しなければなりません。予備日を入れたら、もっと日数がかかります。おそらくそういった理由で見送られたのでしょう。

 ちなみに、混合種目のやり方は、男女でティーイングエリアを変えるのが一般的です。実際、日本では男子、女子、そしてシニアを含めた3つのツアーの混合競技『日立3ツアーズ選手権』を行なっています。そういうのを参考にしながら、ベストボールでやるのか、ベストスコアでやるのか、いろいろと楽しめるやり方を考えていけばいいと思うんですけどね。

 そもそも国別対抗の団体種目すらないのに、男女混合種目を入れるのは早すぎる、といった意見もあるでしょう。だとしても、オリンピックにおけるゴルフをより魅力的な競技にしていくためには、国別対抗の団体戦や男女混合種目をどう組み込んでいくか。それが、今後の課題になると思います。

(2)長い競技時間の改善
 今回の東京五輪から新しく導入されたスケートボードやBMX、サーフィンなどは、競技時間がそれほどかからず、見ていて楽しいし、わかりやすかったです。つまり、うまくショーアップされているんですな。

 その点、ゴルフはどうでしょう。

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