永久シードプロが分析。今季女子ツアーで話題を振りまく注目選手5名の「期待度」

  • 古屋雅章●構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

山下美夢有(20歳)
2020-2021シーズン出場35試合。優勝1回。トップ10入り12回。
賞金ランキング11位(獲得賞金8211万6914円)

 今年のヤマハレディース葛城で2位、KKT杯バンテリンレディスで優勝。山下さんは難しいコースで好成績を残しています。私がテレビ解説を担当したヤマハレディース葛城では、ラウンド後に彼女から話を聞けました。その話がとても興味深かったです。

 特定のコーチをつけずにお父さんと一緒に技術を磨いてきたという彼女。そのやり方としては、およそ300万円もするスイング・弾道測定器を個人で購入し、細かなショットを分析。それを数値化することで、自らのショットの特徴や欠点、修正点を見極めて、スキルアップを図ってきた、というのです。

 それによって、特に成果が出ているのが100ヤード以内のショットだそうです。グリーンの硬さは試合会場に応じて違うけれども、数値化によってキャリーとランの比率計算がわかっているので、あらゆるグリーンに対応できているということでした。実際、彼女のアプローチショットのうまさは秀逸なものがあります。

 こうした弾道測定器は近年、コーチが指導する選手たちのショットを分析するために導入するケースがよく見られるようになりましたが、彼女のように個人で購入して、というのはまだまだ珍しいことです。それでも、彼女は「投資は無駄ではなかったです」と言っていました。

 たくさんボールを打ってイメージを作ることも大事ですが、今後は山下さんのように、測定した数値をもとに技術を磨いていく、という選手が増えていくかもしれませんね。

 ヤマハレディース葛城当時はまだ19歳だった山下さん。自分の考えていることを明解に話す、聡明な子だなと思いました。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る