永久シードプロが分析。今季女子ツアーで話題を振りまく注目選手5名の「期待度」 (2ページ目)

  • 古屋雅章●構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

堀 琴音(25歳)
2020-2021シーズン出場20試合。優勝1回。トップ10入り5回。
賞金ランキング28位(獲得賞金4821万6332円)

 堀さんの復活優勝はみなさんと同様、私もうれしかったですし、心底「よかったねぇ」と思いました。

 2016年の日本女子オープンで、当時アマチュアの畑岡奈紗さんと優勝を争って、惜しくも2位となった堀さん。翌2017シーズンの終盤辺りから、ショットに対して違和感を覚えたそうです。2018年にはシード権を失って、ショットもさらに曲がり出して、自分のスイングを見失ってしまったと言います。

 2014年にプロ入りして、翌年にはシード入りを果たすなど、ある種、王道をいっていた選手。それゆえ、若くして陥ったスランプは、それはもう苦しかったことでしょう。ゴルフは「孤独なスポーツ」とはいえ、家族や周囲の支え、助言などがなければ乗りきれなかったと思います。その意味でも、2018年から師事している森守洋コーチの存在は大きかったのではないでしょうか。

 彼女の特徴として、スイングというか、動き全般が速い。クイックなんですよね。ただ、その点は善し悪しがあります。

 2016年の日本女子オープンの時も、10番までは完璧なプレーでしたが、11番パー3でショートパットをさらっと打って外すと、以後、リズムを崩してしまった感じでした。スイングでもクラブを上げる時にスッと上げながら、ダウンスイングで下半身が粘れていない印象がありました。

 下半身が粘れていないと、ドローボールを打つのはキツいもの。堀さんも、いい時は自分なりのタイミングで打てていたものが、悪くなると右に抜ける球が出ていたと言います。そうしたことを思うと、森コーチの指導の下、持ち球をドローからフェードに変えたことも、復活に大きく寄与したと思います。

 とにかく、この夏の1勝は多くの人の記憶に残るものでした。それを支えにして今後、彼女らしい存在感をツアーで示してくれたらいいかな、と思っています。

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