松山英樹に不安要素はあるも日本チームにいい連帯感。練習ラウンドでは「思ったよりできた」 (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 日本の湿度の高い暑さも勝負のポイントとなるが、日本育ちの松山にその点で不安はない。ただ心配なのは、7月2日に新型コロナウイルスの陽性が判明し、頭痛、嘔吐の日々が続いたこと。隔離生活を強いられた時間は練習もできずに過ごした。

「(今回の練習ラウンドで)初めて歩いて1ラウンドしたが、思ったよりできたな、と。(今は十分)練習もできている。試合で使う集中力、体力の減りはわからないので、何とも言えないですけど、そこは気力でカバーしていきたいと思います」

 今回、男子は松山と星野、女子は畑岡奈紗と稲見萌寧が出場する。練習ラウンドでは、松山がそのチームリーダーとして、チームの雰囲気作りに務めたり、他の選手たちに高度な技を教えたりするシーンも見られた。

 ゴルフは個人ゲームながら、日本チームとして、そのチーム力や志を共有する空気感があった。それは、常に孤高のゴルフで試合に臨む松山にとって、いい"潤滑油"になっているのではないだろうか。

「メジャー大会と違って、その国のトップしか出てこないので、難しいと言えば難しい。けど、メジャーだと150人ぐらいの中でトップを争うことになり、(今回のように)60人で争うこととは(頂点に立つ)確率も変わってくると思うので、しっかりと金メダルを目指して頑張りたいと思います」

 新型コロナウイルス陽性の影響によって、松山の体力面などがどう変化しているのか不安要素はあるものの、ゴルフ競技では宿舎がコースの近くで、環境もいい。加えて、日本チームの連帯感が日に日に増しているのは心強い材料だ。

 グリーンジャケットからゴールドメダルへ――。

 松山英樹なら、きっとやってくれるに違いない。個人的には、グリーンジャケットを着て、金メダルを首にかけた姿を、ぜひ見てみたい。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る