「ボールがどこに飛んでいくのかわからない」堀琴音を突如襲った不振の苦悩

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Image

 そうやって(試合で)少しでも上位にいけるよう、一打に集中して戦う気持ちでいたんですけれど、賞金ランキング50位以内に入ってくると、やっぱり『シード権を獲りたいな』『初優勝したいな』という気持ちが芽生えてきましたね」

――復調の要因について、ご自身ではどのように分析していますか。

「やっぱりドライバー(の復調)ですね。(ここ数年は)本当にどこに飛んでいくのかがわからなかったので......。それがよくなったのは、持ち球をドローからフェードに変えたことが一番大きいです。加えて、クラブも、シャフトもフェードに合うものにしたら、飛距離も出るようになったんです」

――それらのことは、指導を受けているツアープロコーチの森守洋氏からのアドバイスでしょうか。

「そうです。森さんからは(以前から)『こっちゃん(堀琴音の愛称)は、ドローのタイプではないと思う』と言われていたのですが、私はずっと『ドローを打ちたい』と言い続けていたんです(苦笑)」

――それが、ついに持ち球を変えることに。かなり勇気のいる決断だったと思いますが、何かきっかけがあったのでしょうか。

「やはり最初は(持ち球を変えることに)なかなか思いきれませんでした。そういうのは、もともとオフにすると思っていましたから(笑)」

――ということは、シーズン中に持ち球を変えたのですか。

「はい。今年の開幕戦のダイキンオーキッドレディスで(持ち球を)フェードに変えて試合に出て、トップツアーの試合で久しぶりに予選を通過したんです(結果は54位タイ)。そして、翌週の明治安田生命レディス ヨコハマタイヤにも推薦で出場できて、8位タイに入ったんです。

 こうなったらもう、フェードでいく、という決心がつきました。それで、有村智恵さんからもアドバイスをいただいたりしました」

――どんなアドバイスをもらったのでしょうか。

「今年に入って2試合に出場してから、出場3試合目のKKT杯バンテリンレディスまで、1カ月くらい空いていたんです。その間に、フェードヒッターの有村さんと一緒に練習する機会をいただきました。そこで、いろいろなことをうかがって、有村さんのプレーを見てさまざまなことを学びました。

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