青木瀬令奈が「表情筋を無に」してツアー2勝目。「何かが起こる」と思って臨んでいた (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

「『この飛距離で同じ土俵で戦うのは大変でしょう』って言われるけど、それが当たり前でやってきたのが、私のゴルフ人生。もちろん、1ヤードでも遠くに飛ばしたいし、1番手でも短いクラブで打ちたいけど、それは永遠のテーマとして、自分のゴルフのよさを見失ってはいけない。

 150ヤード以上を打つクラブ(の精度)や、アプローチやパターといった自分の生命線をしっかり磨かなきゃと日々思っています。今日はそのへんの精度がよかった」

 28歳といえども、現在の日本女子ツアーでは中堅以上の立場だ。まして、青木は昨年からプレーヤーズ委員長(いわゆる選手会長)を務めていて、コロナ禍によって大会の中止が相次いだ昨年から、難しい調整を強いられてきたことは想像に難くない。

「苦労とは考えてないです。プラスのことも多くて、いろんな選手が声をかけてくれて、コミュニケーションをとるきっかけにもなっているし、頼ってもらえるのはありがたいこと。みんながコロナ対策をきちんとしてくれているので、何事もなく試合が行なわれている。そのへんはみんなに感謝しなきゃ」

 今、最も勢いに乗る稲見に競り勝ったことで、プレーヤーズ委員長の視線は早くも先へ、この優勝で出場資格を得た全英女子オープン、そして国内3勝目へと向いていた。

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