青木瀬令奈が「表情筋を無に」してツアー2勝目。「何かが起こる」と思って臨んでいた (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 青木は、そんな稲見を横目に黙々とプレーしていた。目の前の結果に一喜一憂することなく、感情を表に出すことはほとんどなかった。

「私はちょっと、気持ちの浮き沈みが激しいところがある。緊張であがったりするので、感情を抑えようと思って、表情筋を"無"にしてやろうと今日は思っていました。18ホールを、気持ちと心拍数をなるべく低い位置で保つように心がけていました」

宮里藍 サントリーレディスで4年ぶりの優勝を飾った青木瀬令奈宮里藍 サントリーレディスで4年ぶりの優勝を飾った青木瀬令奈この記事に関連する写真を見る 最終的には、稲見もふたつのバーディーを奪い返して粘りを見せたものの、通算17アンダーまで伸ばした青木が、2017年のヨネックスレディス以来となるツアー通算2勝目を飾った。

「本当に長かった。今年は不振だったのでしんどかったです......。でも、2015年から支え続けてくれて、励まし続けてくれた大西(翔太)コーチに感謝の気持ちでいっぱいです。(キャディーを務めた)今日も、途中で笑わせてくれようとしてくれて......。でも、私は『笑わない』と決めていたので、笑いをこらえながらのラウンドでした(笑)」

 青木のドライバーの平均飛距離は、ツアー89位となる218ヤード。全米女子オープンを制したツアートップの笹生優花はおろか、飛距離では稲見にも遠く及ばない。

 それでも、スタッツの上位となる平均パット数(3位)と、フェアウェーキープ率(8位)が示すとおり、安定したティーショットとショートゲームを武器にして、トーナメントレコードタイとなる17アンダーを積み上げた。

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