稲見萌寧が急浮上で渋野日向子、古江彩佳と三つ巴。女子ゴルフの五輪代表争いへ三者三様の思い

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 稲見は今年に入ってから12戦中5勝という驚異の勝率を誇る。

「自分では(強さの秘訣は)わからないですけど、負けたくない気持ちが強いことと、去年に比べてパターが少し入ってくれることが増えたかな、というのはあります。だけど、ショットは納得していない。もう少し安定させたいなと思いますし、完璧主義者なので、全部向上させたい」

 一方、5月25日付けのランキングで稲見に逆転を許したのが、昨年3勝を挙げた古江だ。今年に入ってからも、高次安定した成績を残し、中京テレビ・ブリヂストンレディスでも3位に食い込んだ。稲見を再逆転する可能性は十分にある。

「稲見さんはすごくいい状態だと思う。自分自身のプレーに集中して、自分自身の成績だけを考えていきたい」(古江)

 下の世代の2選手の後塵を拝することとなった渋野は、昨年末の段階で、東京五輪以上に米ツアーへの本格参戦を重視していることを明かしていた。

「今はオリンピックというより、アメリカツアーへの気持ちが強い。アメリカツアーに出るためのことを考えていたら、自然とゴルフもレベルアップしてくると思いますし。結果が伴ってくれたら、世界ランキングも上がるだろうし、アメリカツアーに参戦する目標の過程にオリンピックがある、という感じで今は考えています」

 ぜひ東京五輪に出場したい――コロナ禍にあって、開催を不安視する声が大きい現況では、そうしたアスリートの願いを直接的に訴えることは難しい状況だ。無事に開催されたのなら、長いゴルフ人生の糧としたい。そうした思いは三者に共通する。

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