新世紀世代の新たなヒロイン、山下美夢有の才能を開花させた「秘密兵器」

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

 美しい夢のある人生に――。

 そんな願いの込められた名を持つ19歳の山下美夢有(みゆう)が、プロデビューから20戦目となるKKT杯バンテリンレディス(熊本空港CC)で初優勝を飾った。2001年度に生まれた新世紀世代では、笹生優花に続くふたり目の快挙となる。

KKT杯バンテリンレディスでツアー初優勝を飾った山下美夢有KKT杯バンテリンレディスでツアー初優勝を飾った山下美夢有 優勝直後のインタビューでは、笑顔と、涙にあふれる山下がいた。

「今年は優勝したいという思いがあったんですけど、(今大会で)優勝できるとは思っていませんでした。ここまで来るまでに、たくさんの方々に支えられ、応援もしていただいて......うれしくて、泣いてしまいました」

 身長は150cm。現在、国内女子レギュラーツアーで戦う選手の中では、西村優菜らと並んで最も背の低いゴルファーである。

「(身長のことは)マイナスには考えないようにしています。飛距離以外に、ゴルフではやることがたくさんあるので(笑)」

 最終日にトップと2打差の4位タイでスタートした山下は、7バーディー、1ボギーの66で回り、古江彩佳ら上位陣を逆転。最終的には2位の古江や小祝さくらに5打差をつける独走体勢を築いた。

「13番のリーダーボードを見て、自分がトップなんだと気づきました。今日はリズムがすごくよかったので、スコアを気にせず、一打、一打に集中できた」

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