渋野日向子「周りにどうこう言われようが私は関係ない」。海外遠征前に語ったこと

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 その一方で、全英女子オープンを制し、国内ツアーでも4勝を挙げて賞金女王を争った2年前と比べると、「物足りない」と受け取ってしまうのがファン心理である。スイング改造について否定的な意見があることも、渋野は理解している。だからといって、信念が揺らぐことはない。

「今、取り組んでいることにまったく不安はないですし、周りにどうこう言われようが私は関係ない。世界にはいろんな人がいて、いろんな意見があるのは当然。

 たとえ否定的な意見でも、赤の他人のような方が、自分を評価してくれているのは本当にありがたいこと。その評価に負けないように、自分も左右されないように、自分の意志を貫きたいです」

 渋野にしては珍しく、感情的な言葉が並んだ。

 今後は4月1日開幕の今季最初の海外メジャー、ANAインスピレーションを皮切りに、最長3カ月に及ぶ海外遠征に臨む。

「今、取り組んでいることをアメリカで実践して、どういう感じになるのかが楽しみ。(ANAインスピレーションに関しては、コロナ禍で秋に開催延期となった)昨年の経験は踏まえず、『初めて行きます』くらいの感じで臨みたい。昨年ほど暑くはないと思いますが、風がかなり強いって聞いているので、まずは予選通過できるようにがんばりたい。

(ゴルフ場以外に)外に出ることは限られるので、マネジャーさんと一緒に料理をするとか、そういうところでリラックスしたい。日本食のスーパーもたくさんあるから、前回は麻婆豆腐を作ったりした。もう一回作ってもいいし、難しい料理も挑戦したい」

 次に国内で渋野のプレーが見られるのは7月か。東京五輪の直前となる。長い海外遠征を経て、進化した姿で帰国することを、誰より彼女自身が期待している。

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