百花繚乱の女子ツアーにあって、今年の飛躍が見込まれる若き精鋭たち (3ページ目)

  • 古屋雅章●構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images


西郷真央(19歳)
さいごう・まお/2001年10月8日生まれ。千葉県出身。身長158㎝。血液型AB。ツアー優勝0回。2020-2021シーズン賞金ランキング22位(獲得賞金2431万6225円)

 西郷選手も今年、ツアー初優勝を飾りそうな若手選手のひとりです。

 彼女はまず、4日間戦う体の強さがあります。スイングはその体の強さを生かして、バックスイングで軸を左右に動かさず、体の捻転でトップを作りパワーを溜めています。そこからダウンスイングでは、強い下半身の動きを使って、インパクトでのパワーを生み出しています。

 この強い体を作るため、トレーニングでかなり追い込んだのか、昨年は背中を痛めたようですが、今年は開幕戦のダイキンオーキッドレディスで4位タイと好スタート。バージョンアップした西郷選手を見たような気がします。

 そのダイキンオーキッドレディスでは初日からずっとトップを守ってきましたが、最終日にスコアを崩して優勝を逃しました。最後はボギー、ボギーの上りでしたが、今の彼女であれば、18番の攻め方は、個人的には悪くなかったと思います。

 果敢に2オンを狙ったショットを左に曲げましたが、勝負どころで左へ飛ぶショットは、力が入る状況ではありがちなミス。しかしこれは、リスクを恐れずに攻める姿勢の表われ、とも言えます。紙一重のショットでした。

 プロゴルファーにとって、リスクを冒さずにセーフティーなプレーを選ぶ戦い方は、将来的に心残りを感じさせるものです。ですから、西郷選手のあのショットは"反省するも後悔せず"というべき一打だったと言いたいです。

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