青木コーチから「卒業」した渋野日向子が激変。「攻めないゴルフ」も実践 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 また、パッティング時のルーティンにも変化があった。

「これまで両手で構えてから打つまでが長かったので、右手だけで(パターを持って)ラインを決めて、左手を添えて構えてから4秒以内に打つというのを意識しています」

 さらにクラブセッティングに関しても、昨年までユーティリティ2本で勝負してきたのを1本にし、長短2本の6番アイアンを入れ、ウェッジも4本(46度、51度、54度、57度)とした。

「2019年シーズンや昨年のスタッツを見ると、明らかにパー5のバーディー率が低かった。それで、マネジメントの重要性を感じて......。刻んだ時の100ヤード以内のショットの精度を上げることで、バーディーチャンスにつけられる確率が高くなる。(以前に比べて)攻めのゴルフからは遠ざかっていますけど、新しい攻め方もあると知って、それを今回実践しました」

 5つスコアを伸ばした2日目は、こうした"攻めない"マネジメントが功を奏し、すべてのパー5でバーディーを奪って大きく順位を上げた。

 そして、最も大きな変化は、2017年から師事してきた青木翔コーチとの発展的コンビ解消だろう。初日のラウンド後、渋野はこう打ち明けている。

「"卒業"したという感覚。昨年末です。2017年のプロテストに落ちていなかったら、青木コーチと出会うことはなかった。本当に、落ちてよかったと思います。なかなか小っ恥ずかしくて(直接本人には)言えないんですが(笑)、青木さんがいてくれなかったら今の自分はない。感謝しかないです。

『わからないことがあれば頼ってくれていいよ』と言ってくださって。その点は有り難い。心置きなくやっていけます。まだこれから不安はありますけど、決めた事はやり通したい」

 他のコーチに師事するわけではなく、先輩プロから助言を得ながら、今後は戦っていくという。

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