西村優菜「ゴルフをやめたい」。そこから「面白い」に変わった転機とは?

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

「私がナショナルチームに入った時は、ゴルフに関して本当に無知で......。いろんな新しい情報が頭の中に入ってきて、新鮮でしたし、たくさんのことを吸収できました。

 なかでも、コースマネジメントの大事さを学んだと思います。プロとして、毎週、異なるコースを転戦していくうえでは一番役に立っていると思います。また、海外の試合にもたくさん出場させてもらって、日本と異なるコースで、日本なら使える技が使えなかったりして、そこでさまざまなテクニックを吸収することができたと思います」

――そういえば、英語も得意なんですよね。

「えッ!? ......(苦笑)。得意ではないんですけど、ナショナルチームのコーチがオーストラリアの方で、みんな、通訳さんを入れずに喋るので、英語を勉強しないとコーチと会話ができないんですよ。

 私はJGA(日本ゴルフ協会)から英語のアプリを提供いただいて、勉強していました。将来、アメリカツアーに参戦することを見据えれば、英語が話せて損はないですし、必ずプラスになる。そのことは、頭に入れていました」

――2019年には古江選手がアマチュアながらプロのトーナメントで優勝。プロ入りしてからも2020年、古江選手が先にデサントレディースで勝利を挙げました。同世代の選手に先を越されて、悔しさや焦りといった気持ちが芽生えることはありませんでしたか。

「どちらの優勝も、私はグリーン脇で見守っていました。彼女が勝った時も、素直にうれしかったし、私もこのうれしさを自分自身で体感したいと思いました。先に彼女が勝ったことで、焦るようなところはありませんでしたね。

『私も近づきたい』『がんばろう』という気持ちだけ。同世代の誰かには負けたくないとか、そういう感情はないですよ。それぞれに特徴があって、みんなが自分の持っていないものをたくさん持っている。同世代の仲間のプレーを見て、自分の強化すべき点もはっきりしますから」

――それにしてもなぜ、同じ世代に強い選手が集まるのでしょうか。

「どうしてなんでしょう、不思議ですよね(笑)。でもみんな、本当に仲がいいですよ」

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