西村優菜はプロ入り後に苦しんでいた。「ゴルフ人生で初めてのこと」

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

――シーズンは今年まで続きますが、2020年は出場14試合でトップ10入りが6回、賞金ランキング7位という成績で終えました。充実の一年だったのではないですか。

「一試合、一試合、成長ができたというのがいちばんよかった。しかも、優勝までできました。そのなかで、昨年最も気にしていたのがトップ10の回数でした。その回数が増えるということは、優勝のチャンスも増えるということですから。

 そういう意味では、シーズンの満足度で言えば、優勝よりも、トップ10回数(が多かったこと)のほうが勝りますね。また、プロ1年目で、すべてが初めての経験のなかで、あくまでも現時点ですが、シード権獲得という当初の目標をクリアしている状況にあるのは、やっぱりうれしいです」

――西村選手というと、150cmという身長が話題に挙がります。身長が低くても戦えるという自負は、人一倍強く感じます。

「決して体格に恵まれているとは言えない宮里藍さんが、世界で活躍していた影響は受けていると思います。海外の選手は身長も高いですし、飛距離も出るんですけど、ゴルフというスポーツは飛距離以外の部分で、いくらでもカバーできるということを、宮里藍さんは証明されましたよね。私もそう信じています」

――初優勝を遂げた時、試合後のリモート会見で「飛距離には限界がある」とはっきり口にしていたことが印象的でした。

「もう少し身体を大きくすれば、あと5~10ヤードは飛距離が伸びると思うし、昨年末に全米女子オープン(予選落ち)に出場した時にも、あと5〜10ヤードの飛距離が自分にあれば、戦い方がぜんぜん違うな、とは感じました。

 そうは言っても、目下のところ、海外の選手は(ドライバーで)私より30〜40ヤードは前にいく。飛距離を競り合うのは私の身長だと、とうてい無理! だからこそ、ショートゲームで飛距離をカバーしないといけないと思っています」

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