西村優菜はプロ入り後に苦しんでいた。「ゴルフ人生で初めてのこと」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

――「憧れ」と公言していた申ジエ選手からも刺激を受けたのではないですか。

「アマチュア時代から一緒に回らせてもらっていたんですけど、どんな時でも、どんな天候でも、リズムが変わらないというのは本当にすばらしいなと思うんです。ショットもパッティングもリズムが変わらないから、スイングもブレない。改めて『すごいな』と思いましたし、憧れます」

――その申ジエ選手から、優勝後に声を掛けられていましたね。

「はい。『ナイス! おめでとう』と」

――優勝して、目に入ってくる世界に変化はありましたか。

「あんまり変わらないです(笑)」

――改めてプロとしてのデビューイヤーを振り返ると、開幕2戦は予選落ちという結果でした。

「シード権獲得を目標にしてシーズンに入りましたが、序盤はゴルフの調子が悪くて......。(開幕戦となった)アース・モンダミンカップの週の月曜日に突然、ドライバーが振れなくなってしまって。そんなこと、ゴルフ人生で初めてのことだったので、戸惑いましたね。

 結局、修正できないままデビュー戦が終わり、コーチとも相談しながら、一つひとつ問題をクリアしていこうと心がけました。ようやく気持ちよくドライバーが振れるようになったのが、日本女子プロの時でした。

 プロとしてトーナメントを戦う難しさは、たとえば予選落ちしたとしても落ち込んでいる暇なんてないことですね。経験のあるプロを見ていると、すぐに気持ちを切り換えているのがわかりました。

 反対に、私は優勝した翌週(TOTOジャパンクラシック)も、疲れもあって、気持ちの持って行き方がうまくできませんでした。そのあたりは、難しかったですね。一度、気持ちをフラットに戻して戦った結果、なんとか9位タイで終えられましたけど......」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る