【木村和久連載】ゴルフをやる人とやらない人。その間にある認識のズレ

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ただラッキーなことに、ゴルフは朝早く家を出ていくので、近所の人は誰も気づきません。帰りも、今は日没が早いので、真っ暗になってから帰宅。周囲の目はごまかすことができます。

「ゴルフは安全」と言いながら、一応世間の目を気にして、目立たないようにラウンドする。ゴルフをする人にとって、今やこれが鉄則のようです。

 ゴルフに対する世間の視線は、相変わらず厳しいと思います。それよりも、銀座の高級クラブや、ヨットやクルーザーで遊んだり、豪華客船の船旅で出かけたりするほうが、よっぽどお金もかかりますし、非難の対象になることは明らかです。でも、そういうブルジョアで、バブル的な遊びは、誰もが最初からヤバいとわかっているので、SNSで呟くような人はいません。

 翻(ひるがえ)って、ゴルフは庶民的な匂いも3割ぐらいするので、他人に公言しても大丈夫かな、と思っている人がちらほらいます。だから、一番やり玉に上がりやすいのです。

 特にSNSが普及してから、反対意見をアップする人の数が急激に上昇しています。

 例えば、SNSで何か意見を言ったとしますよね。そうした場合、あくまでも個人的な推測ですが、その意見を単に聞いただけの人の反応は、100人いたら80人は概ね肯定的です。否定的な人は2割ぐらいでしょうか。

 けど、実際にSNSで反応する人は、6割ぐらいが否定的になってしまいます。つまり、2割ぐらいの少数意見の方々が、発信された意見に対して、SNSで積極的に反対意見を繰り出してくるのです。きっと、何か引っかかることがあるのでしょう。

 片や、8割いる肯定派の方々は、SNSで意見を述べるほど熱心じゃない。だから今の世の中、何を述べても、反対意見が目立つ現象になりがちです。

 そんなわけで、ゴルフは暖かくなるまで、ほどほどに。もしやるのなら、誰にも言わないことです。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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