【木村和久連載】倍もある価格差は何なのか。ゴルフボールあれこれ (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 まあでも、個人的な使用ではそこまでボールのタイプは気にしません。「ここはドラコンだからディスタンス系」とか、いちいちやっていたら、キリがないです。グリーン近くまでいけば、そのボールでアプローチをしなきゃいけないわけですし。

(3)プラセボ効果
 プラセボとは、偽薬のこと。単なる小麦粉を固めて薬状にしたものを「特効薬だから」と言って飲ませると、案外治る場合がある。それを「プラセボ効果」と言います。

 つまり、プロやメーカーの人などから「これはすごく飛ぶよ」と言われたボールを使用して、そう思って打てば、そこそこの効果が得られる可能性があるということです。

 だから、有名ブランドのボールを使っていると、妙に安心します。プラセボ効果が発揮されているのかもしれません。まあ、有名ブランドであることがお守りみたいなものでしょうか。

 そもそも我々アマチュアは、ナイスショット率、ミート率が恐ろしく低いです。半分以上はへなちょこ打球です。そこで、ボールの性能を語っても仕方がないじゃないですか。

 それを言う前に、まずはちゃんとクラブに当てなさい、ということですね。

(4)実際のラウンドにおいて
 最初のスタート時点では、ポケットに予備のボールを入れて「今日は、このブランドでいこう!」なんて思います。けど、OBやロストボールを2回ほどすれば、頭はブチギレて、ボールの選択どころじゃなくなります。

 そこで、脳裏には「今日はボールをなくす日かもしれない」と不安がよぎります。そうして、キャディーさんが「この黄色いボールは違いますよね」とボールを拾ってきてくれたりしたら、「ちょっとそのボール貸して」となって、「このボールを使っちゃお。どうせ、またなくすんだから」と、半ギレ状態で打つんですな。

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