原英莉花のメジャー2勝目を導いた、師匠ジャンボ尾崎の「鶴のひと声」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 原は前週の大王製紙エリエールレディスの初日のラウンド後に、右膝痛を理由に途中棄権した。帰京後、鍼灸院に通い、日曜日には師匠のジャンボ尾崎邸にも向かった。そこでの"鶴のひと声"もまた、このメジャー優勝につながった。

「自分が気づかないうちに、右膝の痛みによって、いろいろな身体の部分をかばってスイングするようになっていた。ジャンボさんに見てもらうと、『おまえ、そんなにトップの位置が低かったか?』と。トップの位置がかなり低くなっていて、クラブが開き気味で上がっていたんです。ジャンボさんに指摘されて修正すると、一瞬で打球が変わった。『単純なヤツだな』と言われました(笑)」

 最終日こそスコアを伸ばせなかったが、通算10アンダーで、完全優勝を遂げた。2つ目のメジャータイトルを手にし、昨年まではプロゴルファーとして遥か先を歩いていた畑岡奈紗や渋野日向子ら、同じ1998年度生まれの"黄金世代"のライバルの背中を、視界に捉えたのではないか。

「これから同じ舞台で、どんどん戦っていきたい。まずは世界ランキングを上げて、海外メジャーに出場したい気持ちもあるし、ゆくゆくは海外のツアーに行きたいと思っている。まだゴルフに波があって荒いし、アプローチのバリエーションも少ない。一歩一歩、力をつけていきたい」

 173cmの長身で、スケールの大きなゴルフが魅力の原が見据える舞台もまた大きい。

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