2020.11.16

古江彩佳に「20球入るまで帰れま10」効果。
スーパープレーで2勝目

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 7番パー3では、強烈な下りのラインに対して、絶妙なアプローチでピタリと寄せてパーセーブ。その後、14番、16番でバーディーを奪って酒井をとらえると、直後の17番パー3では再びグリーンを外すも、およそ13ヤードのアプローチを1.5mにつけてピンチを凌いだ。

「追いかける立場なのはわかっていて、前の組にトップの選手がいるのもわかっていた。攻めるしかないなと思っていたんですけど、ショットが思うようにいかず、パターもぜんぜん入らなかった。リズムがつかめていませんでした。自分ではアプローチが得意だとは思っていないんですけど、(この日の結果で)徐々によくなってきているのかなとは思っています」

 勝負を決めたのは、18番で繰り返し行なわれるプレーオフの3ホール目だ。古江の第2打は残り161ヤード。7番アイアンで放った池越えのショットは、カップへと一直線に向かっていった。さらに着弾後、ラインに乗って転がっていくボールは、カップを覗いたあと、ピンに弾かれて30cm先に止まった。そのスーパーショットに、会場スタッフの歓声が響き渡った。

「(正規の18番と同じカップの位置で行なう)プレーオフ1ホール目と2ホール目は、攻めるに攻められない状況だった。3回目は、カップが真ん中に切られて、距離がぴったりのクラブを持てた。

 打った感じはすごくよくて、縦の距離感はわからなかったですけど、ラインに乗っているなというのはわかった。キャディーさんと、『(カップを)舐めた? 舐めてない?』と会話しながらグリーンに向かいました」

 タップインしてバーディーを奪った古江は、このホールをパーとした酒井に競り勝った。

 思い返せば、プロ初優勝もプレーオフ決着だった。勝負どころでの強さがとにかく光る。

「プレーオフだからといって、特別に気持ちを切り換えるとか、スイッチを入れるとかはない。ただ、プレーオフは、嫌いではないですね。楽しいです。アマチュア時代も、試合でプレーオフにもつれることが多くて、どちらかというと勝つことのほうが多かった。だから嫌いじゃないのかも」