【木村和久連載】ゴルフ倶楽部の居心地。その善し悪しを決めるのは? (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 また、元スポーツ選手の話を聞いたことがあります。その人は、古参メンバーからマナーについての注意を受けて、グリーン上でぶち切れて、そこでラウンドも、倶楽部もやめてしまったんだとか。

 名門コースって、有名人だからといって、特別扱いはしませんからね。

(4)予約
 居心地のよさで一番大事なのは、予約です。

 平日なら、いつでも1組は取れること。休日なら、ひとりで行って、予約なしでもラウンドできること。また、競技の申し込みがすぐに埋まらないこと。こうしたことが大事です。

 1000万円も払って買った会員権なのに、いつも混んでいる。そういうことがあったりします。

 じゃあ、20万円ぐらいの大衆コースはもっとひどいのか? というと、そういうわけでもありません。

 知り合いが大衆コースのメンバーになっていて、毎月の月例競技にはきっちり出ているとのこと。メンバーの数は多いけど、細かくクラス別に分けられており、毎週エントリーできない、ということはないそうです。

 なるほど。それこそ、倶楽部の実情は入ってみないとわからない、ということですね。

(5)無難な倶楽部
 バブルの頃、会員権価格が3000万円した名門で、今はたったの200万円という古い倶楽部が、わりと無難と言えば、無難です。

 そういった、かつて自称"名門風"を吹かせたコースは、安いプライドもあったりしますが、当時からメンバーの世代も代わっていて、多くは息子世代が今のメンバー。バブル崩壊も、リーマンショックも、新型コロナウイルス危機も経験し、それを乗り越えているので、謙虚さを持ち合わせています。

 つまり、分相応というものを知っているメンバーが多いです。200万円のコースは、所詮200万円のコースなんだと。それが、準名門コースの矜持なのでしょう。

 私も今後メンバー入りするなら、200万円くらいの倶楽部がいいかなぁ。人生、程々がよろしいようで。

『黄昏ゴルフ倶楽部~夢で会いましょう』好評発売中!
原作:木村和久 作画:玉城晃/ヒロカネプロダクション 監修:弘兼憲史
出版社:双葉社 定価:630円(税別) 週刊パーゴルフ連載中
◆収録作品
(1)夢で会いましょう
ひょんなことから、「ひとり予約」のサイトを使って、某ゴルフ場でのラウンドエントリーをした藤原隆一。おばあさんとの組み合わせでプレーする予定だったのに、コースに行くと、そこには美人親子が待っていた。さあ、その後の展開はどうなるのか?
(2)ラストショット
元の会社の上司が人生最後のゴルフコンペをすることに……。そこに集う、さまざまな人たちの人間模様を浮き彫りにしながら、元上司はどんなラストショットを打つのか。そして、そのショットに込められた意味を解いていく。

◆詳細はこちら>>

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

『教えて! 100切り先生』好評発売中!
詳細はこちら>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る