2020.11.05

【木村和久連載】ゴルフ倶楽部の居心地。
その善し悪しを決めるのは?

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 以前メンバーだった頃、フロントに知り合いがいて、雑誌の取材だと言うと、「メンテ中の9ホールを開放したので、ご自由に」と言ってくれ、ほぼ打ち放題でやらせてもらってすごく助かりました。

 しばらくして、その担当者が部署移動になると、いけすかない野郎がキャディーマスターになりまして......。「取材でコースを貸してください」と頼むと、「他のお客さまの迷惑にならないように、最終組のあとで手短にお願いします」と杓子定規の対応ばかり。

 それまでがよかった分、「何のために、朝早く来ていると思ってんだよ」とか、「俺も同伴者も正式なメンバーで、お客さんなんだけど、他に誰に気を遣えっていうの?」って、心の中で毒づいたりもしましたね。

 まあ、いつも言っていますが、倶楽部は「いいこと8割、悪いこと2割」の法則がありますからね。

(3)有名人はツラいよ
 ゴルフとキャバクラにおいては、ひとりで行く派の私は、タイミングよく倶楽部デビューを果たせました。とにかく下手に出ていることで、みんなが愛想よくしてくれたので、とても助かりました。

 けど、全国的に有名な方だと、思わぬところでいろいろな弊害が出たりします。

 とあるお笑い系のゴルフ好きが、名門コースのメンバーになって、ひとりでラウンドをしに行ったとか。そうしたら、コースのスタッフが一緒に回ってくれることになり、終始笑顔でラウンドを終えたそうです。

 ところがそのあと、そのお笑い系の人がお腹を冷やしてトイレに入ると、先ほど一緒にラウンドしたスタッフも、誰かと一緒にトイレに入ってきたのです。そして、そのスタッフが洗面所で手を洗いながら、こう言ったそうです。

「○○さぁ、友だちいないのかね? ひとりで来やがってさ。仕方がないから、オレが相手してやったよ。ところがさ、ぜんぜん下手でさ、参ったよ」

 そんな会話をされて、笑い系の人はしばらくトイレから出られなかったとか。以来、そのコースには二度とひとりでは行かなかったそうです。