タイガー・ウッズが復帰。視界に見据えるのはZOZO連覇とマスターズ (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 さて、肝心のウッズだが、現在の調子はどうなのか。

 今年は年明けから腰の状態の悪さに悩まされ、試合出場を制限している、という状況にある。昨秋、日本で勝利を挙げて以降、勝利はなし。今年1月のファーマーズ・インシュランスオープンでは9位とまずまずの成績を残したが、次に出場した2月のジェネシス招待では予選通過こそ果たしたものの、68位と最下位に終わった。

 その要因は、やはり腰の痛み。特に寒さは大敵で、気温が低かった大会では「背骨の下のほうがかなり硬くなってしまう」と吐露し、苦痛の表情を浮かべていた。

 その結果、自宅近くで開催されるメリットがありながら、3月のフロリダシリーズの欠場を決断。ホンダクラシック、アーノルド・パーマー招待、「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権(中止)と、すべて休んで腰の回復に努めた。そんななか、コロナ禍でツアー自体が中断となった。

 新型コロナウイルス感染拡大は予期せぬことで、ウッズの療養はあくまでもマスターズを見据えてのことだった。昨年4月、スポーツ史上「最も偉大なカムバック」とも言われたマスターズでの戴冠。メジャー通算15勝目を決めたウッズにとって、今年もマスターズで勝つことが最大の目標だった。

 実際、ツアー再開後にウッズは「3月末には腰も良好で、4月2週目のマスターズの頃には、ちょうど僕のゴルフは"ピーク"を迎えていた」と話している。

 ツアー中断中、ウッズはフロリダ州の自宅でほとんど過ごしていた。幸いなことに、ウッズがホームコースにしているメダリストGCは早い段階でプレー可能となり、ほぼ毎日のようにコースに出ていたという。

 また、ウッズが住むフロリダ州ジュピターには、他にも多くのツアープロが居住。若手のジャスティン・トーマスやリッキー・ファウラーらと一緒にラウンドすることも多かったようだ。ちなみに、ウッズの長男チャーリー君(11歳)が出場するジュニア大会では、キャディーを務めるウッズの姿が見られている。

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