【木村和久連載】ハーフラウンドは、なぜ浸透しないのか? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 かつて、バブル全盛の頃は、朝7時半ぐらいにフライング気味にスタートし、強引にスループレーにして、午後には東京に戻って仕事した、なんて猛者もいました。

 でも今は、そこまでスケジュールを詰め込んで、何が楽しいの? ゴルフをやるなら丸一日潰して、ゆったりとやりましょうよ、という風潮になっています。

 それは、18ホール回ってから、さらに近くの健康ランドに寄るとか、あるいは都心に戻って食事会をするとか、ゴルフをする一日はレジャーに費やそう、ということ。今時は、そうした傾向が強いみたいです。

 現在の日本のゴルフ環境でハーフラウンドをするのは、特別な条件がそろっていない限りは難しいように思います。

 条件的に言えば、東京都だったら、若洲ゴルフリンクス(江東区)の午後ハーフとかでしょうか。午前中で仕事を切り上げて、14時ぐらいからサクッとハーフを回って、夜は食事会へ、といった芸当ができますからね。

 ただ現状は、ハーフゴルフを有意義に楽しめる環境が整っておらず、発展途上にあると言えます。

(2)ハーフラウンドができない事情
 そもそも18ホール以上あるゴルフ場で、ハーフラウンドプランは少ないです。夏場の薄暮プレーはよくありますが、朝9時からハーフプレーをさせる概念はゴルフ場にありません。

 通常ゴルフ場は、18ホールの営業ならアウトとインを、午前と午後に分けてプレーしてもらいます。午前8時~10時が、ゴルフ場営業のゴールデンタイムであって、そこに中途半端なハーフの客を入れるなんて、考えられないわけです。さほど儲からないですし。

 だから、10年ぐらい前、ハーフプレーのゴルフ場を探した時は、ほとんどありませんでした。特に冬場だったので、「夏場なら~」みたいな返事ばっかりでしたね。

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