渋野日向子に「大きな成長」。
海外6試合で青木翔コーチが認めたこと

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

(3日目は)2日目ほど頭にくることはなかった。むしろ(出だしの10番で「8」を叩いて)ちょっと呆然な感じだった。でも、その後は(気持ちを)切り替えながらやっていた。自分の中でも気持ちをコントロールしながらやっていたんですけど、結果には結びつくことはなかったですね。そう思うと、(今の自分のレベルは)気持ちのコントロールがどうこうの問題ではないな、と。

 この3日間(新たに)見つけるものしかなかったです。別に天狗になっていたわけじゃないけど、鼻をへし折られたというか。ここに来るまでは飛距離が必要だとすごく思っていたんですけど、飛距離どうこうの問題でもないな、と。飛距離以外のことでも、何打も縮められるということを、今回本当に実感した。日本に帰ってやることが、今までと変わってくるのかなと思います」

 迎えた最終日。渋野は意地を見せた。3バーディー、3ボギーの「70」。初日と同じイーブンパーで回って、「悔しい思いはたくさんしたけど、今日は一打、一打、悔いがないようにやったので、終わり方としてはよかったんじゃないかな」と言って、笑顔を見せた。

「(日本ツアーとの違いは)まずはピンポジション。『そんなところに切ってくるのか』というのが、日本ではなかなかない。まったく予想していないピン位置ばかりで、すごく厳しいセッティングというのは、こっちならではなのかなと感じた。

 もうひとつは、グリーン周りの難しさ。日本ではロブショットはそんなに必要ないけど、こっちでは必要になるシチュエーションが多い。いろいろと(ショットの)バリエーションを増やしていかないと。あと、芝だったり、ラフだったり、グリーンの芝だったり、もう全部ですね。すべてに関して日本では経験できないな、とすごく思いましたね」

 この一戦だけでも、多くのことを経験し、学んだ渋野。それを含めて、今回の海外遠征で体感し、体験したことがすべて、今後の糧になるに違いない。

「(アメリカでは)毎日、毎日が本当に悔しかった。自分のゴルフができて、悔いがない日がなかったので。そんななかで、(自分には)伸びしろしかないのが、すごく実感できている。今回は、悔しいというより、手に負えないというか、今の自分のレベルでは『無理だな』というのを、本当に痛感しましたから。

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