【木村和久連載】どういった雰囲気で
ラウンドするのが好きですか?
(3)下手で真面目人とのラウンド
以前、ゴルフ雑誌のスタッフたちとラウンドする際、急きょ欠員が出て、それを補充する形で、その雑誌のアルバイトみたいな人が参加してきました。
その人は、ものすごく真面目で、ゴルフは崇高なスポーツで、紳士のたしなみといった考えを持っていて、我々と一緒にラウンドした時に、カルチャーショックを受けたようでした。
なにしろ、いきなり「昨日、キャバクラに行ってさぁ~」といった会話から始まって、延々と夜の与太話をしたあと、芸能界のゴシップネタへ移行。それも、事細かく、ここでは書けないようなゲスな話ばっかりしていましたからね。
そんな話をずっと聞かされて、喜んでいるのか、迷惑なのか、よくわかりませんでしたが、そのバイトくんが衝撃を受けているのは明らかでした。そこで、これはちょっと刺激が強すぎたかなと思って、罪滅ぼしに少々レッスンをさせてもらいました。
「ドライバー以外は、フルショットしなくていい」とか、「すべてのクラブを短く持ってラウンドしてみては」とか、「番手で悩んだら、ひとつ番手を上げて軽く打ってみたら」など、的確なアドバイスをしたつもりでいました。そうして、その日はとりあえず、円満にラウンドを終えました。
下世話な話をしながらのラウンドは楽しいものですが、真面目にプレーする人には迷惑なのかもしれませんね...。illustration by Hattori Motonobu
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