【木村和久連載】コース予約。密かに知られる「プレミアムクラブ」とは (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 実のところ、名門コースはプライドが高いので、ビジターを入れることはほとんどありません。でも、平日はガラガラで困っていました。そんななか、プレミアムクラブがコンペや競技会を開催してくれる。名門コースとしては、非常に助かるわけです。

 マナーや品位の問題も、時間と空間を貸す主催者に任せてありますから、コース側の負担は少なく、いろいろとメリットが多いのです。

 このように、お客さん、コース側と双方にいいことずくめのプレミアムクラブですが、まだ淡々と活動している感じで、ブームとまではいきません。

 それは、なぜか? 次にデメリットを見てみましょう。

(1)毎回名門はしんどい
 名門コースでのラウンドとなれば、毎回ジャケットを着て、かしこまってプレーしなければなりません。メンバーならともかく、ビジターにとってそれは、精神的にしんどいんです。

 毎日、ステーキやうなぎを食べてみてくださいよ。胃がもたれるでしょ。結果、「たまには、ざるそばが食べたい」と思うのと同じです。

 お金だって、バカになりません。平日とはいえ、名門コースのビジター料金は結構しますからね。プレミアムクラブ会員として割引があったとしても、ボディーブローのように財布に響いてきます。

 結局、いざという時、たとえば「大事な接待で、名門コースでのラウンドを準備しなければいけない」――そういう時のために、キープしておく感じになるんじゃないですか。

(2)猫に小判=オヤジに名門
 プレミアムクラブの何がすごいのか? それは、井上誠一や上田治、赤星四郎といった昭和の名設計家が造ったコースでラウンドできることです。

 だから、彼らの設計思想、設計理念などを勉強しておく必要があります。それも知らずにプレーしても、それは"猫に小判"=オヤジに名門であって、名門コースのありがたみがまったく感じられず、そのよさを何ら理解できずに終わってしまうでしょう。

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