【木村和久連載】センスある若者に、
オヤジのゴルフは対抗できるのか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それでもゴルフの場合、サッカーでやっているような、クラブを使ってのリフティングをやると、感覚が研ぎ澄まされて上達する、と言われています。常にクラブとボールに馴染んでおくと、知らぬ間にセンスがよくなるみたいです。

 ただ、実際のところ、そうしたことはなかなかできません。オヤジ世代からすれば、そういうことを"遊び"でできる人が羨ましい。リフティングだって、修行の一部、あるいは"拷問"にしか見えませんから......。

 では、才能もないし、表現力もないオヤジゴルフファーは、これから何をすればいいのか?

 実はあるんですよ、とっておきの"技"が。それは、"反復練習"というものすごく地味な練習方法です。

 同じことを繰り返し練習する反復練習が、再び脚光を浴びたのは、みなさんもご存知、渋野日向子選手が全英女子オープンの優勝を決めたウイニングパットからです。

 最終18番ホール。そこで優勝を決めるには、カップインがマストでした。そんな状況で、6mの難しいラインを入れにいくのは、もはや神業です。

 それができたのも、渋野選手がコーチに課せられたパットの練習を毎日こなしてきたからこそ。それは、長短さまざまな距離を四方からすべて入れなければ、最初からやり直し。それが終わらなければ、家にも帰れないという、とんでもない練習をしてきた成果であり、その結果得た、超スーパーテクニックなんです。

 松山英樹選手ですら、「あのパットは僕には打てません。おそらくショートするでしょう」と言っていましたからね。まさしく渋野選手は、想像するだけでも恐ろしい反復練習によって、誰にも真似のできないパターが打てるようになったのです。

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