【木村和久連載】実際のところ、名門コースと大衆コースは何が違うの? (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 もちろん地方のコースでも、バブルの頃は立派なクラブハウスを建てているコースがありました。その名残で、現在も豪華なところが結構あると思いますよ。

 あと、問題は食事です。

 以前は、名門コースの料理は「当然、美味しい」と思っていたのですが、大衆コースと「それほど変わらないな」と、最近気づき始めました。

 どこのコースもレストラン部門は、専門業者に委託していたり、たまに自ら運営していても、独立採算制が基本ですから、料金よりも材料費が上回ったりすることはありません。となると、1500円のランチで、3000円の食べ物は出てこないのです。

 とくに、朝ごはんの和定食はどこも一緒。魚の切り身を焼いて、海苔と納豆に漬物がついているだけ。それで、1000円~1200円ですからね。これが、一番儲かるんじゃないですか。高額コースだったら、何かしら工夫してほしいですよね......。

(4)ゴルフ場の雰囲気
 名門コースは、大衆コースとは明らかに雰囲気が違います。樹木がうっそうと茂っており、「ウチは会場70年の名門だからね」みたいな、落ち着いた佇まいを感じさせます。

 そうやってコースが落ち着いている分、人間関係は緊張します。名門倶楽部はジャケット着用も必須だったりしますので、エントランスに入った瞬間から、まるで"身体検査"状態です。上着を忘れてしまった時など、「キミ、ここはジャケット着用だよ」とか言われないか、ひやひやしながらフロントに向かいます。

 また、名門倶楽部の受付は、「メンバー」と「ビジター」との区分けがはっきりしていて、ビジターの受付はすごく混みます。

 大衆コースは、そういう境界線が曖昧で、メンバーの受付でビジターの受付をしてくるところもあります。大手チェーンのコースだと、カード提示でチェックインできます。それが、一番ありがたかったりしますね。

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