【木村和久連載】実際のところ、名門コースと大衆コースは何が違うの? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 一方、大衆コースはその多くが都心から離れた遠隔地にありますから、地方の名士や大農家の地主さんなど、コースの地元で名の通った方がメンバーになっていることが多いです。それにプラスして、都会の高額コースの会員権はさすがに買えないけど、地方のリーズナブルなコースなら手が届く、といった都心に住むサラリーマンがメンバーになっていますかね。

 そもそもゴルフ会員権を買う段階で、道楽者か、セレブです。安くプレーする権利や、競技会などの試合に出られる権利は、今や"友の会"やネット予約でも十分に用を足せるようになっています。なのに、あえてメンバーになるのは、都会や地方を問わず、自らのステータスを満足させる部分が大きいんじゃないかと。

(2)コースの質
 ゴルフ場の土地は「平らで、ゆったりしているのが一番」と言われています。その点では、関東の土壌はよくて、とりわけ茨城県や千葉県の北部のほうでは、広々としたコース取りがなされています。

 そこら辺のコースのメンバーになれば、思う存分、ドライバーをかっ飛ばせます。会員価格にして、200万円程度。なかなか賢い買い物だと思います。

 片や、東京都や神奈川県にある、会員権が1500万円ぐらいする名門コースはどうでしょうか?

 確かに、昭和の名設計家が造ったコースが多いのですが、いかんせん立地が悪いです。多摩の丘陵地に造ったり、都市化が進むなか、狭い敷地に18ホールを詰め込んだりと、コース全体に余裕がありません。アップダウンがきついうえ、コース周りはネットだらけと、景観もよろしくないです。

 そういったことをぼやくと、大阪の人からは「東京はまだいいよ。大阪のコースはもっと狭いから......」などと言われてしまいます。私も何度か行きましたけど、実際に大阪は土地そのものが少ないので、狭いコースが多いです。でも逆に、いろいろと工夫して造ってあって、感心しましたけどね。

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