【木村和久連載】1年後に延期された東京五輪開催の是非を考えてみる (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

・延期になっても夏開催の謎
 猛暑の東京五輪開催については、散々問題視されていたにもかかわらず、延期になっても、また7月末から8月中旬の"猛暑"開催となりました。

 これについては、アメリカのプロスポーツのビッグイベントが行なわれていない時期での開催を、多額の放映権料を払っている欧米メディアが強く要望するため、という噂がまことしやかに囁かれています。再び同じスケジュールになったことを考えると、その噂は本当だと思ってしまいますよね。

 ただ、来年の夏となると、アメリカのドナルド・トランプ大統領も、日本の安倍晋三首相も在任しているかどうかは不透明です。オリンピック開催は、政治的な決断によるところが大きいので、日米の政局が流動的となれば、まったく予測ができません。

 もし来年の東京五輪が11月開催であれば、完全な形で開催できる可能性も膨らむと思うんですけどね。アメリカPGAツアーのマスターズは今季、すでに秋開催に向けて、着々と準備が進んでいますし......。

◆五輪開催が新型コロナウイルスの感染拡大につながらないのか
 せっかく新型コロナウイルスの感染が収まったのに、オリンピックを開催することで、そこで感染者が出て、再び世界にまん延してしまった――そうなる可能性がないわけではありません。

 新型コロナウイルスが無事に終息したから日本は安全となっても、五輪開催となれば、観戦に訪れるお客さんは世界中からやって来ますしね。

 また、世界中からお客さんが来るということは、検疫の問題もあるでしょう。お客さんはもちろんですが、選手に陽性反応が出て入国拒否をした場合、政治的な問題になったりして......。「ウチの国ばかり厳しい。嫌がらせだ」とか言って、文句を言われる可能性も......。

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