【木村和久連載】コロナショック後、スループレーが定着するは本当か (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ちなみに、鶴舞CCの「東アウト→西イン」は、東の9番だけが打ち上げで、他は平坦なホールばかりですから、林間コースの趣があって、非常にラウンドしやすいです。そうしたローテーションを、わりと好んでプレーしていました。

 スルーでラウンドを終えると、まだ午後1時ぐらいだったりします。それから、ゆっくりとお昼ごはんを食べて帰っても、3時ぐらいには東京の事務所に戻って、仕事ができていましたね。

 ここでポイントになるのは、スルーでプレーができたのは、後半のスタート枠が空いていたからです。もしこれが、18ホールのコースで、お客さんがかなり入っている場合は、どうなるでしょうか?

◆18ホールのゴルフ場の場合
 混んでいるコースのスタートは、夏場なら7時台からでしょうか。そして、朝の最終スタートが10時30分過ぎくらいですかね。

 その場合、7時半にトップで出ていったとしても、2時間ほどでラウンドして戻ってくれば、まだ9時台。最終スタートが10時30分過ぎとなれば、キャディーマスター室に問い合わせたところで、1時間以上は待たされることになります。とすれば、昼休みを取ってもらうしかありません。

 もちろん、気の利いたキャディーマスターがいて、組と組の間に入れてくれたりしたら、話は別ですが、ゴルフ場には暗黙のルールがあります。通常、ハーフをプレーし終えた組のことを「ラウンド目」と言って、ラウンド目の組はすべての組のスタートが終わらないと、残りのハーフを回ることができません。

 だって、まだ1回もショットを打っていない組を抜かして、後半のスタートをさせたら、抜かされた組の人たちが怒るでしょ。「あそこはもう次のハーフを回るの? こっちはまだスタートしていないんだけど」と、必ずクレームをつけてきますから。

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