【木村和久連載】処世術を磨くのに最適?「言い訳の天才」を育むゴルフ (5ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 男としては、もはや天にも昇る気持ちになっています。失われた青春を取り戻すこともできました! それはよかったけど、家に帰ってほどなくして、不適切な旅行だったことがバレてしまいます。

 なんで、発覚したのか。

「沖縄のゴルフ、どうだったの? ゴルフバック(家に)忘れたでしょ」

 奥さんにそう聞かれて、しどろもどろになってしまったんですな。

 すっかり舞い上がって、肝心のアリバイ工作用のゴルフバッグを家に置き忘れてしまっちゃ、世話ないです。しかも、奥さんは何の疑いもなく、心配して聞いただけなのに......。

 こうした場合、本来取り繕うのは簡単です。

「慌てて行ったから、大変だったよ。仕方がないから、クラブは現地でレンタルした」

 こう答えるだけで、話は済んだんですけどね......。

 よこしまな考えでリゾート旅行に行った時は、ゴルフをせずに終わることが多々ありますが、現地では必ず、どこぞのゴルフコースに立ち寄って、スコアカードやパンフレット、浴室にあるビニール袋などを入手しておきましょう。何事もマメに! ですよ。

 ゴルフは、スコアに対しては正直になるのに、周りの人たちには言い訳をしたり、嘘をついたりしてしまいがち。処世術を磨くには、ゴルフが最も向いているかもしれません。

 何はともあれ、晴れて堂々とゴルフができる日まで、もう少しの辛抱です。がんばりましょう。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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